こんにちは!なかがわ夫婦です。
今回は、特別支援学校で働くために必要な免許について、文科省の資料と併せてご紹介します!
教育学部の学生さんや特別支援学校だけでなく、教員を目指されている方の参考になれば幸いです。
1 特別支援学校で必要な免許
結論から言うと、
本当は特別支援の免許が必要ですが…
現状は、特別支援学校教員免許状が無くても特別支援学校で働くことができます。
特別支援学校の教員は、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭免許状のほか、特別支援学校教諭免許状を有していなければならない(法第3条第3項)。
https://www.mext.go.jp/content/20200902-mxt_tokubetu01-000009703_13_1.pdf
法第3条の規定にかかわらず、幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は、「当分の間」特別支援学校の相当する部の教諭等となることができる(法附則第15項)。
え~!
特支の免許無くてもいいんだ…
今は特別支援の免許を持っている人が少ないため、
特例として、現在は免許が無くても働けるようになっています。
2 特別支援教諭免許状の仕組み
教員免許は、
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校と校種ごとに定められており、
通常の幼小中高で働くためには、必ずその学校種の免許状が必要です。
僕は小学校免許をもっているよ
それにプラスする形で、
特別支援は、オプションのような免許になっています。
(元支援学校教員)
私は小中高と
特別支援の免許をもっています!
それぞれの関係を示すと、以下の図のようになります。
そのため「特別支援の免許だけもっている」ということはありません。
必ず、基礎となる幼小中高いずれかの免許をもっています。
3 正担任ができるかどうかの基準
特別支援学校は2~3人の先生で1クラスを担任することが多いです。
そのため、その中で正担任と副担任に分かれることになります。
まず、特別支援学校の分類(種類)を知らない方は、過去の投稿をご覧ください↓
繰り返しになりますが、
現状、幼小中高のいずれかの免許があれば特別支援学校で働くことができます。
しかし、正担任ができるのは
各学部に応じた基礎となる免許をもっている先生だけと限られます。
特別支援学校の高等部で、正担任をするためには「高等学校教諭免許状」が必要です。
具体例で考えましょう。
高等部1-1の正担任の先生、副担任の先生を決める場合、
情報を整理すると、以下のようになります。
経験や特別支援学校の免許の有無から考えると、
一見、B先生が正担任に適しているようにも思えます。
しかし、一番重要なのは
「高等学校の免許状を持っているかどうか」です。
これによって、正担任と副担任が決まります。
よって、正担任がC先生、副担任がA先生とB先生になります。
初任者でも、免許状によってはいきなり正担任も十分あり得ます!
4 特別支援学校の免許にある「領域」
中学校や高等学校が教科別の免許状になっているのは、イメージしやすいと思います。
英語とか数学の先生がいたな~
同様に、特別支援学校の免許状にも、
どの障がい種の専門なのかを示す「領域」というものがあります。
特別支援学校教諭の免許状は、特別支援教育領域を定めて授与される(法第4条の2)
https://www.mext.go.jp/content/20200902-mxt_tokubetu01-000009703_13_1.pdf
5つの領域に分かれていて、各大学等でどの領域を取得できるかが決まっています。
多いのは、図の左側「知肢病」の3領域取得です。
(元支援学校教員)
私も大学では
知肢病の3領域取得しました!
<参考>R3調査結果 5領域の免許保有状況
領域 | 保有率 |
---|---|
視覚障がい | 66.2% |
聴覚障がい | 61.0% |
知的障がい | 89.5% |
肢体不自由 | 87.9% |
病弱 | 80.4% |
視覚障がいや聴覚障がいの領域をもっている先生は、
他の領域と比べると少ないです。
そのため、
視覚障がいや聴覚障がいの領域をもっている先生は、
盲学校・聾学校へ異動になる場合が多いです。
https://www.mext.go.jp/content/20220328-mxt_tokubetu01-000021585_02.pdf
視覚障がいや聴覚障がいについて
専門性をもった先生が少ないなら
増やしたらいいのかな?
そこで、国や自治体で
5領域全ての取得を後押しする動きもあります。
免許状の授与後、新たに特別支援教育領域を追加することも可能(法第5条の2第3項)。
https://www.mext.go.jp/content/20200902-mxt_tokubetu01-000009703_13_1.pdf
(元支援学校教員)
教員時代「免許保有状況調査」が毎年あり、
未保持領域は、いつ頃追加予定か等を問われました(笑)
同僚の先生の中には、土日に講習やテストを受けて、
領域追加をされた先生もいましたよ!
つまり「特別支援学校の免許をもっている」だけでなく「どの領域か」も重要な要素です!
また、今回は詳しく触れていませんが、
「領域」とは別に、どこまで学んだのかによって3つの段階があります。
- 特別支援学校教諭二種免許状(短大卒相当)
- 特別支援学校教諭一種免許状(4年制大卒相当)
- 特別支援学校教諭専修免許状(大学院卒相当)
4年制大学でも、単位を落としてしまうと二種免許状しか貰えなくなってしまうため注意が必要です。(※免許状の段階によって、給料が変わります!)
5 さいごに
(元支援学校教員)
特別支援学校の免許に関して、
最低限知っておくべき内容についてまとめました。
小学校にいたけど、
初めて知ることばっかりだった!
小学校や中学校、高等学校とは、少し仕組みが違うため、
今回の記事を通してざっくりと特別支援学校へのイメージをもっていただけたら幸いです。
今後、特別支援に関する知識は欠かせないものになってくると思います。
免許を持っていることが全てではありませんが、今後の教職人生で必ずプラスになる領域だと私は思います。
私自身、大学入学当初は、もともと小学校の先生を目指していました。
しかし、大学での講義や実習を経験し、支援学校の教員になることを決めました。
特別支援学校の教員になろうと思ったきっかけ、やりがい、大変さ等、
リアルな本音を投稿していきたいと思います!