学 校

【意外と知らない】特別支援学校の分類と入学基準

妻(元教員)

ところで質問です!
〇〇支援学校、という名前であれば
どの支援学校も同じでしょうか?

夫(元教員)

障がいのある子どもたちが通う学校でしょ?
どこも一緒じゃないの?

妻(元教員)

…!!
もうちょっと詳しく知っておいてほしいですね…。
私が簡単に解説しましょう!

目次

1 特別支援学校の大きな分類
① 対象年齢
② 対象の障がい種
2 特別支援学校の入学基準
① 視覚障がい
② 聴覚障がい
③ 知的障がい
④ 肢体不自由
⑤ 病弱(身体虚弱者を含む)
3 特別支援学校の目的
4 さいごに

1 特別支援学校の大きな分類

① 対象年齢

幼稚園に入る3歳~高校卒業の18歳(目安)までの子供たちが対象の学校です。
以下、4つの学部があります!

① 幼稚部(=幼稚園)
② 小学部(=小学校)
③ 中学部(=中学校)
④ 高等部(=高等学校)

小学校・中学校といった言い方ではなく、小学・中学といいます。

ここで押さえておくことは、
全ての特別支援学校に幼稚部~高等部まである訳ではない
ということです!

例えば…

  • うさぎ支援学校…小学部・中学部
  • ぱんだ支援学校…幼稚部・小学部・中学部
  • さくら高等支援学校…高等部のみ

といったように、それぞれの支援学校で対象となる年齢が決められています!
※学校のHPや教育委員会のHPを見ると書いてあります!

② 対象の障がい種

対象年齢に加えて、対象となる障がい種も各特別支援学校で定められています。

特別支援学校で対象となる障がい種

① 視覚障がい
② 聴覚障がい
③ 知的障がい
④ 肢体不自由
⑤ 病弱(身体虚弱者を含む)

先ほど例としてあげた学校で説明すると…

  • うさぎ支援学校(肢体不自由)…小学部・中学部
  • ぱんだ支援学校(聴覚障害)…幼稚部・小学部・中学部
  • さくら高等支援学校(知的障害)…高等部のみ

このように、各学校の主とする対象の障がい種が決まっています。
分かれていることで、障がい種に合わせた適切な指導や支援を受けることができるようになっています。

夫(元教員)

じゃあ、肢体不自由と知的障がい両方の場合はどうなるの?

妻(元教員)

例えばですが…
知的障がいの学校は、知的障がいにしか対応しません!という訳ではありません。

一概には言えませんが、
・学校の受け入れ態勢
・どちらの障がいに対して支援が多く必要か
・保護者や本人の希望
など、様々なことを考えて決定します。

複数の障がいを併せ持つ場合の学校決め
例)肢体不自由と知的障がい
どの学校が適切かを就学相談や教育相談などで、保護者を交えてしっかり話し合いを行って決定します。

2 特別支援学校の入学基準

障がいのある子どもたちのための学校ですが、「私は支援学校に行く!」と自由に決められるわけではありません。

先ほど紹介した、5障がい種(視・聴・知・肢・病)それぞれに基準があります。
それでは、簡単に紹介します!
※詳しくは学校教育法施行令第二十二条の三をご覧ください

① 視覚障がい

両目の視力が0.3未満で、拡大鏡などを使っても文字や図形の認識が難しい状態”

② 聴覚障がい

両耳の聴力が60デシベル以上で、補聴器などを使っても通常会話の声が聞き取りにくい状態”

③ 知的障がい

”知的発達の停滞により、意思疎通や日常生活に援助を必要とする状態”
社会生活への適応が著しく困難な状態”

④ 肢体不自由

”補装具を使っても、歩く・書くなどの日常動作が難しい状態” など

⑤ 病弱

”疾患により、医療や生活規制を必要とする状態” など

妻(元教員)

専門的な用語も多いので分かりにくいところもあると思いますが、少しイメージできたでしょうか?
このように、特別支援学校に誰でも入学できるのではなく、しっかりと基準が決められています。
小学校や中学校にある「特別支援学級」とは違う基準になっています。

※「特別支援学級」については、また別の記事で紹介します!

3 特別支援学校の目的

学校教育法第72条では、特別支援学校の目的は以下のように定められています。

視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること

学校教育法第71条より


文章がかたいですね(笑)

基本的には、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校と同じ内容の学習を行っていますが、障がいの特性に応じた適切な支援自立を促すために必要な教育を受けることができるのが大きな特徴です。

また、国語・算数・理科・社会などの教科に加えて、「自立活動」という学習があることも特徴です。

知的障がいのある子どもたちは、障がいの特性に合わせて、下学年の学習(例:4年生だけど学習内容は2年生)をしたり、「生活単元学習」「作業学習」など様々な教科等を合わせた学習を行ったりします。

夫(元教員)

「生活単元学習」?
何それ。初めて聞いた…。

妻(元教員)

小中学校の通常の学級では、無い学習だからね。
特別支援学校では、障がい特性に合わせたいろいろな学習を行っています。
そのために、「特別支援学校教員免許状」があるんです!

4 さいごに

いかがだったでしょうか?
少しでも、特別支援教育について知っていただく機会になれば幸いです。

私は、知的障がいを主とする特別支援学校に勤務していました。
そのため、実を言うと、他の障がい種の学校の実態について詳しいか、というと全然そんなことありません。

小学部や中学部といった学部障がい種が異なると、本当に全然違います!

妻(元教員)

支援学校は「障がいのあるこどもたちが通う学校」だけでなく、もう少し踏み込んだところまで理解していただけると嬉しいです。

最後に、私が採用試験の勉強で使った書籍を紹介します↓
学習指導要領を覚えたり、各自治体の過去問練習と並行して、この本を使いました。
参考程度ですが、もしよろしければ書店などで見てみてください!


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